著者
下村(志水) 美文 瓜生 貴紀 新垣 エリカ 小矢 夏幹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.28, 2017

現在、環境問題対策として、バイオマスの利活用が注目されている。なかでも林地残材などの木質バイオマスはほとんどが未利用であり、廃棄されている割合が高い。その原因として、リグニンなどの難分解性有機物質を含むことが挙げられる。また、食品廃棄物性バイオマスは飼肥料に利用されているが利用率は十分でない。そこでこのような未利用バイオマスを微生物の栄養源として有効に利用することができれば、貴重な有機性資源として循環活用することが可能となる。 一方、青森ヒバなどに含まれるヒノキチオールには強力な抗菌作用がある。このような抗菌性物質は、微生物によって未利用バイオマスを分解・資化する際には障害となる。したがって、本研究ではバイオマスを資化する前に抗菌成分をあらかじめ分離し、この抗菌性物質もマスクなどの衛生用品への塗布や院内感染や家庭での食中毒予防に活用することで総合的に有効利用することを目的としている。