著者
小野 八束 坂口 武一
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, pp.891-895, 1965

adenosine triphosphate(ATP)の分解程度の異なる種々の製品を検定し,またATPにアミノ酸(トリプトファン,シスチン,チロジン),ブドウ糖,α-ケトグルタール酸およびビタミンBなどを混合した製剤を分離するためには,展開のすみやかな薄層クロマトグラフ法が最良の方法と考えられる.<BR>そこで,薄層クロマトグラフ法を適用したところ,これらの混合物からATP,adenosine diphosphate(ADP),adenosine monophosphate (AMP)をそれぞれ分離することができた.また,ATPにアミノ酸その他の薬品類を混合した場合,ATPの変化を薄層クロマトグラフ法で調べた結果,ATPの分解を促進していないことを確認した.これらの実験は今後,分解しやすいATPを混合製剤から分離定量するのに役だつと思われるので報告する.