著者
小野寺 力 吉田 雅昭
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.212-215, 2011
参考文献数
18

LEDのIV特性を測定した結果から発光エネルギーEが増加するとしきい値電圧V_<th>が増加することを示した。LEDの順方向電流が20mAのときの順方向電圧V_fを発光エネルギーEこ対してプロットした結果から,順方向電圧V_fと発光エネルギーEの関係は直線V_f=E/eの傾向に従っている。しかし,GaNを基礎としたと考えられるLEDでは直線と測定値のずれが大きく,V_f>E/eの関係になっている。IV特性の理論式から考察した結果,この原因としては理想因子n_<ideal>が大きいことと寄生抵抗として直列抵抗成分が存在することが考えられる。これらのことから「LEDを用いたプランク定数の測定実験」では,LEDのIV特性が理想特性からずれていることを考慮に入れて実験する条件を設定する必要があることを示した。