著者
小野澤 拓 岩崎 英哉 鵜川 始陽
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.3_23-3_40, 2021-07-27 (Released:2021-09-27)

ネットワークを介してセンサからデータを収集したり,機器を制御する技術であるIoT (Internet of Things)が近年注目を集めている.eJS (embedded JavaScript)プロジェクトでは,IoTのプログラム開発にJavaScriptを利用可能とすることで,IoTアプリケーション開発の複雑さなどを軽減することを目指している.eJS プロジェクトでは,計算資源が限られるIoT機器や,その上で実行されるIoTアプリケーションに合わせてカスタマイズされたJavaScript仮想機械(eJSVM)を生成するフレームワークeJSTKを提供する.本研究では,eJSVM のふたつの新しいカスタマイズ項目を実現した.ひとつ目に,64 ビット環境向けと32 ビット環境向けのデータ構造を選択できるようにした.ふたつ目に,4種類の異なるごみ集めアルゴリズムから,対象アプリケーションと相性の良いアルゴリズムを選択できるようにした.実験により,これらのカスタマイズ項目の有効性を確認した.