著者
大塚 閏一 山入端 正徳 西中川 駿
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.277-281, 1973-03-24

1)ラットの耳下腺, 下顎腺および単孔舌下腺について, 血管分布密度を組織切片一定面積中の血管断端数で検討した.2)血管分布密度は耳下腺が最も高く, 下顎腺がこれにつぎ, 単孔舌下腺が最も低かった.3)下顎腺においては, 雌の血管分布密度が雄よりも高かった.
著者
大塚 閏一 山入端 正徳 西中川 駿
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.167-179, 1972-03-30

1)29頭の犬を用い, 51例の下顎腺および耳下腺に分布する動脈を肉眼的に観察した.2)下顎腺に分布する主要動脈は, A.facialis(顔面動脈)よりのRamus glandularis(腺枝)およびA.auricularis caud.(後耳介動脈)より起こるRami glandulares(腺枝)であった.このほか, A.thyroidea cran.(前甲状腺動脈)より起こるRamus sternocleidomastoideus(胸鎖乳突筋枝)の分枝およびA.parotidea(耳下腺動脈)の分枝が分布する例も認められた.なお, A.thyroidea cran.のRamus sternocleidomastoideusが, A.thyroidea cran.より起こらず, A.occipitalis(後頭動脈)の基部より分岐して, その分枝が下顎腺に分布する例が1例認められた.3)下顎腺への動脈分布状態は5型に分類でき, それらの頻度はTable 1のようで, A.facialisのRamus glandularisおよびA.auricularis caud.のRami glandularesのみが分布する型が41.2%と多かった.4)耳下腺に分布する主要動脈は, A.parotidea, A.auricularis caud.より起こるRamus auricularis lat.(外側耳介枝)の分枝およびA.temporalis sup.(浅側頭動脈)より起こるA.auricularis rost.(前耳介動脈)の分枝の3動脈であった.このほか, A.auricularis caud.のRami glandulares, A.temporalis sup.よりのA.transversa faciei(顔面横動脈)の分枝およびA.masseterica(咬筋動脈)の分枝が耳下腺に分布する例も認められた.5)耳下腺への動脈分布状態は7型に分類でき, それらの頻度はTable 2のようで, 主要3動脈のみが分布する型が45.1%と最も多かった.6)A.parotideaはA.carotis ext.より起こる例のほか, A.auricularis caud.またはA.temporalis sup.より起こる例が31.3%も認められた.7)A.auricularis caud.は一般に耳介の輪状軟骨の基部でA.carotis ext.より起こるが, 9.8%にあたる5例において, A.carotis ext.が舌下神経と交叉する部位より起こっていた.