著者
和田 凌司 八尋 健太郎 山口 知晃 東藤 大樹 横尾 真
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4L2J1305, 2019 (Released:2019-06-01)

マッチング問題に関する既存研究の多くは,学生や学校の持つ選好が厳密に順序付けられている問題を前提としている.しかしながら,学生や学校が数多く存在する現実的な仮定の下で,互いの正確な情報を得ることは困難である.そこで本論文では,各エージェントの選好の一部が順序付けられていない,部分的な選好下における多対一マッチング問題を考察する.本論文の扱うモデルにおいて,学生が学校にインタビューを行うことにより,各エージェントは自分が潜在的に持つ選好を明確にできる.しかしながら,インタビューにはコストが生じると仮定するのが一般的である.そこで,必要最小限のインタビューを用いて,各エージェントの潜在的な選好を解明しつつ,望ましい割当を求めることが望まれる.部分的選好下での一対一マッチング問題においては,学生最適性を満たす割当を出力するメカニズムが提案されている.しかしながら,このメカニズムは,すべての学校に対して共通な部分的選好を仮定している.そこで本論文では,既存の仮定を緩和した整合性を満たす部分選好下での多対一マッチング問題において,学生最適性を満たす割当を出力するメカニズムを提案する.