著者
山崎 裕功
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.29-33, 2005-01-18

脊髄損傷者は,受傷後,症状が固定化すると,公的に身体障害者として認定され,障害年金受給者として社会生活することになる.しかし,働くという視点でみると,受傷前の職業に復帰できるものは,軽症か,特別待遇にあるもの,雇用基盤の良好な労災事故被害者など,ごく一部に限られ,自然の流れで就労できる人は,殆どない状態である.また,職場復帰できた場合でも,そこには,職場環境や勤務形態を変えてもらったり,雇用サイドや周囲の人達の理解や善意があって初めて可能となっている.このように,脊髄損傷者の場合,受傷後は大半が失職してお