著者
菅野 美樹夫 門屋 義勝 本多 巌 山本 みどり 小池 一正
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.119-122, 2001 (Released:2002-05-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ランドレース種経産豚13頭をA群(5頭),B群(4頭)およびC(4頭)の3群に分け,緬山羊用膣内留置型プロジェステロン(P4)製剤(CIDR-G)を1個または2個7日間挿入し,除去後の発情誘起の検討を行った.その結果,CIDR-Gを2個挿入し除去後PGF2α(クロプロステノール,0.2625 mg)を陰部に投与したA群では3∼5日以内に5頭(100%)が,1個挿入したC群では2∼4日以内に4頭(100%)の発情を確認した.一方,CIDR-G2個挿入し除去後PGF2α無投与のB群では,除去後3日目に4頭中1頭(25%)のみで発情が確認された.P4濃度は,A群およびC群共にCIDR-G挿入後5日目にかけて上昇していた.5日目のP4濃度は,挿入前の値と比較して有意に上昇していた(p<0.05).CIDR-Gの挿入個数によるP4濃度の差は認められなかった.このことから,CIDR-Gを経産豚の発情誘起に応用する場合,CIDR-Gを7日間留置し,除去後PGF2αを投与することで,高率に発情が発現する可能性が示唆された.