著者
山本 忠利 津久井 公平 大塚 徳勝
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.407-412, 1982-08-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
5

85Kr使用装置から漏れ出た放射性Krの回収と精製を目的として, 気密容器による閉じ込め方式をとり, その中に漏洩する放射性Krを回収, 精製できる装置を試作し, その特性試験を行った。85Kr使用装置を収納する気密容器内の放射性Kr濃度は0.3ppmまで低下し, そのときの回収率は99.976%に達した。さらに回収した放射性Krを精製することによって, その純度は99.9908%に達した。すなわち, 気密容器内に漏洩した放射性Krをほとんど100%近くまで回収可能であり, かつ回収した放射性Kr中のHeを100ppm以下まで除去することができる。
著者
田中 忠夫 山本 忠利
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.389-396, 1994-07-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
19

自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下における85Srの移行挙動を明らかにするため, 85Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って, 陽イオン性85Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は, 土壌から間隙水中へ溶出するCa2+の濃度が流れの停止期間に増加することにより, 85Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa2+濃度から推定した85Srの分配係数と土壌層における85Srの移行速度から得た分配係数とは, 流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。