著者
石塚 洋一 山本 邦夫 今村 祐佳子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Supplement2, pp.156-161, 1996-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

エアロゾル療法は, 局所や全身にあたえる影響は少ないが, ネビュライザー療法として用いた場合, 下気道にもエアロゾル粒子が沈着することを念頭においた使用が望まれる。これは, エアロゾル粒子が, 上気道よりも下気道に障害をあたえる可能性が高いからである。日常生活でも, 様々なスプレー製品を用いる機会がある。これらの製品の中には, エアロゾル粒子の下気道障害性が強いものもあり注意を要する。防水スプレーは死亡事故が出ており, これはフッ素樹脂の吸入毒性により, 間質性肺炎や肺水腫を起こしたものと考えられる。この他にも, ヘアスプレー, 静電気防止スプレー, 殺虫剤スプレーなどの中毒が報告されている。