著者
山浦 篤
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
遺伝学雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.117-121, 1941

私は東京市の中央, 牛込區の本籍簿229册全部を調査して, 男の子のみ, 女の子のみの家庭數が蓋然律から期待される數より甚だ多いと云ふ, 古屋芳雄氏の研究と同樣の結果を得た。<br>然しそれに對する見解は, 古屋氏が「男腹」「女腹」存在の, 或は社會心理學的な大發見とするに反し, 私は全く生物學的意義を認めず, 男女出産比率は蓋然律に從ふもので, 大都會では, 除籍と本籍移轉の人爲的影響からこの樣な喰違ひを生じたことを, 又田舍では調査結果と蓋然律からの期待數とよく一致する理由を證明した。