著者
山田 昇平
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.33-47, 2014-10-01

本稿では「言便(ごんびん)」を扱う。「言便」は中世中期の義源撰『法華経音義』で発音に関する事柄を広く指すのに用いられる。しかし中世後期には口語的資料の上で発音の良し悪しに関する用法に多く使用される。この用法は「音便」にもみられるが,「音便」は言語事象を説明する文脈に多用され,両者には用法による棲み分けが確認される。また「言便」は,「ゴンビンザワヤカ」の形で多用されるが,近世初期にはこの形が「ゴンビザワヤカ」へと変化した。これにより「言便」は使用の場を狭める。一方で近世中期になると学術的文脈で「言便」が確認されるが,これは先の事情により従来の「言便」が使用されにくくなったため,新たに生じたものと考える。本稿では特に「言便」と「音便」との用法による棲み分けに注目し,学術用語「音便」の成立には,この語の俗語的な側面を「言便」が担っていた背景があると考える。
著者
山田 昇平
出版者
大阪大学古代中世文学研究会
雑誌
詞林 (ISSN:09139338)
巻号頁・発行日
no.56, pp.26-37, 2014-10
著者
山田 昇平 ヤマダ ショウヘイ
出版者
大阪大学古代中世文学研究会
雑誌
詞林 (ISSN:09139338)
巻号頁・発行日
no.56, pp.26-37, 2014-10

著者より公開許諾の申し出あり
著者
山田 昇平
出版者
大阪大学国語国文学会
雑誌
語文 (ISSN:03874494)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.72-58, 2012-12