著者
森 禎章 山路 純子
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.45-61, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)
参考文献数
73

皮膚における侵害受容はAδ線維とC線維の自由神経終末により行われる.Aδ侵害受容器は主に機械刺激に応答し,刺す痛みや速い痛みを生じる.C侵害受容器は熱,冷,化学および機械刺激に応答し,灼けつく痛みや遅い痛みを生じる.侵害受容器の神経終末にはイオンチャネルや受容体が発現しており,機械刺激に対しpiezo1 やASICs などのイオンチャネルが,熱刺激に対しTRPV1〜4 チャネルが,冷刺激に対しTRPM8 とTRPA1 チャネルが,化学刺激に対しASICs,TRPV1,TRPV3,TRPM8,TRPA1 チャネル,ATP 受容体,B2 受容体がこれを受容する.この総説では,侵害受容に関わるイオンチャネルと受容体について,電気生理学的観点から解説する.