著者
光元 聰江 岡本 淑明 湯川 順子
出版者
岡山大学教育学部
雑誌
岡山大学教育学部研究集録 (ISSN:04714008)
巻号頁・発行日
vol.131, no.1, pp.113-122, 2006

本研究は、外国人児童生徒の学習言語能力の伸長は目指した教科学習という視点から、国語科の学習を容易にするための「リライト教材・音読譜」という教材作成法を考案し、公立小学校の日本語学級において実践したものである。外国人児童(以下、子ども)の日本語力に対応させた国語教科書(以下、原文)のリライト教材・音読譜を作成した。そして段階的にリライト教材のレベルをあげ、最終的には、原文をリライトしないで学習できるように指導した。このリライト教材・音読譜を作成するにあたり、学年相当の国語の学習目標と日本語の学習目標の2本柱を立て、現時点での子どもの日本語能力に配慮しつつ「表現はやさしく、内容は相当学年レベルで」を目指した。本実践では、編集時、日本語を全く解さなかったK児と日本語入門程度のS児(2名とも中国語母語者)が、約1年間の上記実践によって、教師の口頭による説明のみで原文がそのまま学習可能となった。