- 著者
-
岡松 泰弘
新谷 洋二
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 土木史研究 (ISSN:09167293)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, pp.513-520, 1998-05-01 (Released:2010-06-15)
- 参考文献数
- 16
現在の皇居はかつての江戸城である。1590 (天正18) 年に徳川家康が居城として以来、孫の家光の代まで約40年をかけて築かれた。しかし完成後、明治維新までの約240年間に絶えず災害等により被害を受け、その都度復旧されてきた。明治以降も大正12 (1923) 年の関東大震災で大被害を受けている。前回、宮内庁書陵部公文書係に保存されている図東大震災後の復旧記録を調査できたところ、地震対策のため石垣の内部は練積石垣が用いられたが、外観上は皇居を囲う堀ということから、あたかも空積のように見せて築かれていることが明らかになった。しかし前露の調査で明らかになったのは資料の一部であった。そこで今回は前羅の発表に続いて、新しく閲覧できた資料に基づいて、前回の発表内容と比較検討しながら後旧状況の全貌を明らかにした。