著者
阿部 貞夫 和泉 秀彦 嶋田 明子 中村 洋一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.559-567, 1974
被引用文献数
3

抗ヒスタミン剤を中心とした抗アレルギー剤治療にて調節しえない蕁麻疹症例はかなりの数にのぼる。今回, それらの難治性のあるいは遷延化した蕁麻疹症例にたいして使用したHistaglobinの効果を明らかにする目的で100治験例の治療経過の分析を試み, 治療の目安ともいうべき2, 3の集計結果をえたので報告すると同時に, Histaglobinの作用機序についてもいくらかの考察を試みた。結果1) 明かな改善がみられた92症例中88例(95.7%)に4本以内の注射で効果がみられた。2) 93症例について調べた総注射使用本数は, 39例が5本以内, 30例が6~10本以内であつておよその必要本数が明らかにされた。3) 以上を総括すると有効90例, やや有効4例, 無効0, 経過不明6例であつた。4) 忌むべき副作用はまつたくみられなかつた。