著者
川崎 寿彦
出版者
一般財団法人 日本英文学会
雑誌
英文学研究 (ISSN:00393649)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.57-71, 1966

17世紀の形而上詩の本質を把握するためには、いわゆるBen's TribeとDonne's Schoolとの区別がたてられねばならず、そのためにはBen JonsonとJohn Donneの対照が明確でなければならない。本稿は詩的比喩に対する両者の態度を考察するが、とくに当時(16世紀末から17世紀初頭)の英国で、やや時期はずれの復活を見せていた錬金術というものに対して、二人が対照的な態度をとったという事実を足がかりにして、問題の核心に迫ろうとこころみるものである。