著者
川嵜 敬二 中丸 幸治 大野 義夫
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.235-243, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本論文では, 筆を用いて描く画法を模倣するようなNPRの共通の課題である,物体形状を反映したストローク方向の自動生成手法を提案する. 提案手法では,入力として与えられた3次元形状に対して3次元的な細線化を施し, 得られた物体の骨組みを利用し, ストロークの方向を決定する. 生成されるストローク方向は, 物体表面上で一意に決定するため, 動画作成時にも効果的である. また,生成されたストローク方向の可視化の一例として, 水墨画調のレンダリングを実装した. 本手法により生成された方向を用い, 3次元物体表面上で, 物体全体を塗ることができるような開始点を一意に定めることにより, 静止画のみならず, ちらつきの少ない動画も水墨画調で出力可能である. 本手法により生成されるストローク方向, 並びに動画作成の概念は, 水彩画, 鉛筆画などを模倣するNPRにも拡張可能であると考えられる.