著者
川端 淳司 黒柳 ふみ 井貝 亮太 村林 学 渡部 博之 北井 則行
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 = The Journal of Gifu Dental Society (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.169-176, 2013-09-20

上顎前歯の著しい唇側傾斜および過大なオーバージェットを伴う骨格性II級、ターミナルプレーン遠心型の初診時年齢10歳3ヵ月の男児に対して、コンビネーションヘッドギアと咬合斜面板を用いて、上顎骨前方成長抑制と上顎第一大臼歯の遠心移動、上顎前歯の口蓋側移動および下顎骨前方成長誘導を行った。第二大臼歯萠出完了後、上下顎にプリアジャストエッジワイズ装置を装着し、非抜歯にて矯正歯科治療を行うこととした。その結果、良好なオーバージェット、オーバーバイト、I級の犬歯・大臼歯関係および緊密な咬頭嵌合が得られた。保定開始から2年1ヵ月を経過した後も、安定した咬合関係を保っており、患者の十分な満足が得られた。