- 著者
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市原 乃奈
- 巻号頁・発行日
- pp.1-359, 2008
日本語の連体修飾に現れる「の」について、その特殊性を確認するものである。用いた資料のうち、最古のものである『萬葉集』で「の」の機能の発達まで考え、最新のものでは、『文藝春秋』などによって、その理論の妥当性を考えるという姿勢で調査および検討を進めてきた。近年の語用論での解決の有益性と限界を指摘し、そこで用いられた「読み込み」で説明できる問題の整理と検討を行った。本稿ではそれを逆から行う「書き込み」を中心とした発想を提案した。これが本稿の結論の趣旨となっている。