著者
平尾 浩子
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.13, pp.97-105, 2008

現在学校現場では、いじめ、不登校、学級経営が立ち行かなくなる学級崩壊に加え、最近はインターネット社会における匿名の心理的いじめが大きな問題として、社会問題にまでなっている。今後これらの学校の問題については、おきてから個別に対処する方法ではなく、学級の中で子どもに真の生きる力を育て、それらの問題が起きにくい学級集団作りを目指すべきである。そのため本稿では河村による学級状態の類型(満足型学級、管理型学級、なれあい型学級)について、Bionの集団理論における基本的概念(依存基底的想定、闘争・逃避基底的想定、つがい規定的想定、基底的想定グループ、作動グループ)を導入し学級集団の状況を整理し深く理解するための考察を行った。