著者
上野 義栄 平賀 和三 森 義治 小田 耕平
出版者
日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.109-114, 2007
参考文献数
30
被引用文献数
4

古来の発酵法を用いて製造した京漬物,千枚漬けよりγ-アミノ酪酸(GABA)を高生産する乳酸菌が分離され,Lactobacillus sp. L13と同定,命名した.本菌は,増殖にグルタミン酸を要求し,高濃度のグルタミン酸存在下でGABAを高生産した.培養液のpHを酸性(pH5)に維持すると, 800mMのグルタミン酸ナトリウムより81%の変換率で,最大650mM (6.7%)のGABAを生産した.この乳酸菌をスターター菌として使用し,GABAを0.1%含有した千枚漬けを試作した.官能評価の結果,従来の製品よりも風味のすぐれた千枚漬けの製造が可能であることが示された.