著者
徐 英杰
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.283-291, 2014

本研究は,中華人民共和国成立後,1950年代から60年代にかけて,初等・中等教育の急速な拡大普及を目指す改革期における美術教員養成の位置づけとカリキュラムの特色を明らかにするものである。建国初期の教員養成は,中華人民共和国教育部がソ連の制度をモデルにして作成した美術教員養成課程のカリキュラム(教学計画)に基づいて進められた。本研究ではそれらの新カリキュラムと中華民国時代の旧カリキュラムとを比較しながら,小学校教員養成(図画科目),初級中学校教員養成(芸術科),高級中学校教員養成(図画製図科)の,それぞれの段階における制度と内容を明らかにし,ソ連の影響と中国文化の伝統の中で独自の美術教員養成を模索した当時の状況を指摘した。