1 0 0 0 OA 鶯邨畫譜

著者
抱一 筆
出版者
須原屋佐助
巻号頁・発行日
1800

酒井抱一画の画譜。大本1冊。名古屋永楽屋東四郎の求板本。初板は、文化14年(1817)2月、江戸和泉屋庄次郎刊。文化14年首春の佐原菊塢の跋を添える。淡色摺り。抱一の自画を元に作製された画譜。画題は富士、糸桜、女郎花、梅、笛、桜町大納言、杜若、その他で、和の草花、公卿、官女、行事など。淡泊な色使いを基調に、拭きぼかしを施すなどして気品に満ちた世界を現出した。「文詮」「軽挙道人」「雨華道人」「鶯邨」などの印章はすべて抱一自身が使用していたものを模刻、押捺する。賛の句もすべて抱一の自筆板下。江戸琳派の領袖抱一が趣味を凝らした自製画譜として人気が高かった。当該本は、見返しに東壁堂(永楽屋東四郎)、奥付に須原屋佐助の名が見えるが、見返しに「鶯邨画譜」の書名を明記するので、板元は東壁堂で、奥付は売り広めの際に綴じ込んだものか。近世末期の摺り。(鈴木淳)