- 著者
-
挾間 玄以
楠見 公義
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.265-270, 2004-03-15
抄録
症例は72歳,女性。抑うつ気分や精神運動制止などうつ病類似の症状で発症。症状は抗うつ薬で一時軽快するも再燃し抑うつ状態が遷延化した。その後,パーキンソニズム,認知機能低下が認められ,拒絶症や認知機能の変動も顕在化した。quetiapine少量投与(50mg/日)により,これらの症状の部分的改善が得られた。同薬の増量はパーキンソニズム増悪のため困難であり,donepezilの少量(0.5ないし0.75mg/日)を併用投与したところ拒絶症や認知機能の変動は消失した。quetiapineやdonepezilは少量投与でもDLBの精神症状改善に有効である可能性が示唆された。