著者
掛谷 益子 Masuko KAKEYA 吉備国際大学保健科学部看護学科 Department of Nursing School of Health Science KIBI International University
雑誌
吉備国際大学保健科学部研究紀要 = Journal of Kibi International University School of Health Science (ISSN:13418904)
巻号頁・発行日
no.11, pp.11-14, 2006-03-31

医療現場における感染予防の基本は手指衛生であり、流水による手洗いと速乾性擦式手指消毒薬による擦式手指消毒が中心となる。本研究は、看護学生の手指衛生における手洗いと擦式手指消毒との手技の違いを明らかにすることを目的とし、A大学の看護学生(30名)を対象に、手指衛生について調査を行った。その結果、手洗いより擦式手指消毒のほうにミスが多く、指間、指先、拇指、手首の4部位において消毒しなかった学生が多く存在した。つまり、学生は適切な擦式手指消毒が実施できていなかった。また、手洗い時間の平均は56.2秒、手指衛生時間の平均は12.3秒であった。これらのことから、学生に対しては、手洗いに加え擦式手指消毒についての手指衛生教育が重要であることが示唆された。また、学生が短時間で効果的な手指衛生を実施できるためには、繰り返し練習が必要であることが再確認された。