著者
新川 貴詩 寺島 信義
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.111-116, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
6

現代美術作品を立体映像で撮像するにあたり、作品の形式や傾向によっては、既存のコンテンツ制作技術では十分に対応できないこともある。たとえば、現代美術のひとつの傾向に、「サイトスペシフィック・アート」「アースワーク」などと称される、大地や野原、都市の路上などの景観を重要視して作品を設置する作品形式がある。既存の立体映像コンテンツはパンフォーカスで撮像されるケースが大半を占めるが、この撮像手法は、そのような美術作品に対しても有効なのか。あるいは、その種の作品は、作品(近景)と風景(中・遠景)とのバランスをどのような焦点および被写界深度で撮像するのが適切なのか。そこで主観評価実験を行ったところ、パンフォーカスという撮像手法は必ずしも妥当ではないと示唆された。