著者
奥村 崇幸 新田 真之介 隈元 庸夫
出版者
Saitama Physical Therapy Association
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.11-16, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
26

【目的】体幹屈曲・伸展時の腰背部における腰部脊柱起立筋(以下, LES)と多裂筋(以下, MF)の筋活動と循環動態を検討し,体幹屈曲・伸展運動による効果の筋生理学的根拠を得ること。【対象と方法】対象は健常成人男性9名,運動課題は体幹屈曲伸展の多段階角度保持とし, LESとMFの課題動作中の筋活動と循環動態の経時的変化を記録した。【結果】LES,MFともに安静立位と比較して体幹屈曲で有意に筋活動増加,体幹伸展で筋活動が有意に減少した。総ヘモグロビン(以下,total-Hb)の変化はLES,MFともに屈曲時に減少,伸展時に増加の傾向がみられ,LESのtotal-Hbは屈曲時に有意に減少した。MFは安静立位,屈曲時と比較して伸展時に脱酸素化ヘモグロビン(deOxy-Hb)の増加傾向がみられた。【結論】健常者が対象であっても,立位での体幹屈曲運動とその後の立位での体幹伸展運動にて筋活動と循環動態に変化がみられることがわかった。