著者
早坂 大助
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.621-625,022, 2001-05-01 (Released:2010-10-27)

2000年8月, 小型蒸気タービン誘導発電機を導入した。当工場では, これまで発電設備がなく電力は全て購入電力であったため, 電力料金の工場のエネルギーコストに占める割合は非常に大きなものとなっていた。蒸気タービン発電機を導入したことにより当工場の第一号発電機となり, ここに岩渕工場発電所が誕生した。構内で蒸気を最も多く使用する設備は工場の主力である3, 4マシンであり, ボイラーより蒸気圧力1.1MPaで供給し直前にて減圧弁で蒸気圧力0.3MPaに下げて使用していた。この減圧による熱落差のエネルギーロスを有効利用すべく出力385k Wの蒸気タービン誘導発電機を設置した。導入効果としては予定通り全使用電力の約3%を自家発電することとなり, エネルギーコストも目的通り節減が計られた。今回こうした導入経緯, 設備概要, 効果等, エネルギーコスト削減の一例とし紹介する。