著者
早坂 美里
巻号頁・発行日
2021-03

筆者の大学院での研究目的は「木彫仏の様式を用いて女性像を制作することで、陶に霊性を与えることは可能か」を試みることである。本論では、木彫仏に用いられる様式や精神性、過去から現代に至るまでの女性性の変遷をまとめ、関係性を整理した。陶に霊性を与えるために、美術史家・井上正の「霊木化現」の思想を参考にした。神木の「神」が、「仏」として出現する一連の流れが仏像として造形されていると考える思想だ。踏み固めた粘土の塊から、カービングのみで像を彫り出すことで独自の造形を模索した。