著者
高橋 裕一 伊藤 健 最上 久美子
出版者
山形県衛生研究所
雑誌
山形県衛生研究所報 (ISSN:05134706)
巻号頁・発行日
no.36, pp.21-27, 2003
被引用文献数
1

花粉情報システムが開発され今年(2003年)の春から運用に入った.予報は4段階のランクに分けた場合,実測値と予測値のランクが"完全に一致"した割合は三川,新庄,山形,米沢で各々49%,46%,58%,53%,"1ランクはずれ"が各々33%,27%,33%,33%,"2ランク以上はずれ"が各々18%,27%,9%,14%で,9~27%が"大きくはずれた"ことになる.飛散状況ではダーラム捕集器による飛散開始日はいずれの地点も昨年より遅かった.総飛散数は県北部(三川町,新庄市)が2002年に比べて各々4.6,2.3倍と多かった.花粉モニター法とダーラム捕集器の結果は2002年より良く一致した.花粉モニターによる総飛散数は,2003年が2002年より少なくダーラム捕集器の結果とは異なった.それは2003年は空中に浮遊する粒子数が少なく,花粉モニターはスギ花粉以外の粒子をあまり計測しなかったためと考えられた.春に飛散する花粉の最大ピーク日をみると,14種のうち11種で2003年よりも2002年が早かった.総飛散数は14種のうち10種で2003年が多く飛散した.秋に飛散する花粉の飛散時期は昨年(2001年)とほぼ同時期であった.