著者
有本 邦洋 下重 里江 鎌田 泰彰 原 直人 黒澤 美枝子
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.169-174, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
21

本研究の目的は,寒冷昇圧試験(CPT)時の昇圧度の差で対象者を群分けした場合に心拍変動と瞳孔の反応に差がみられるかを明らかにすることである.正常血圧男性16例(22 ± 1歳)にCPTを行い,拡張期血圧の上昇が10 mmHg以上を反応群,未満を低反応群とした.統計には二元配置分散分析を用いた.低反応群に比べて反応群では安静時のLF/HF,LFnu,CVR-Rが高値,HFnuは低値であった.また反応群では,CPT時にLF/HFとLFnuは有意に減少し,HFnuは有意に増加した.瞳孔はCPT時に全例では有意な散大を示したが,2群間での反応差はみられなかった.以上の結果より,正常血圧者における寒冷昇圧の大小の差は,安静時とCPT時における心臓自律神経活動の差として認められることが明らかとなった.