著者
児玉 久 服部 宜弘 長光 左千男
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.58, pp.133-144, 1995-06-25
被引用文献数
7 1

温熱環境評価や,放射を用いた空調機器の開発に,数値流体解析技術を適用することを目的に,障害物が存在する現実の居住環境に適用した場合でも比較的短時間で精度良く計算が行える放射伝熱の計算手法を提案した.放射熱線追跡法を基本とし,精度を損なわずに熱線射出数を減少させることが可能な複数の射出方法を考案し,それらの性能を評価した.その結果,仮想天球に正方形パッチを千鳥配置して射出方向を設定する方法が最も良く,従来の射出方法に比べて,射出本数を1/2程度に減少させても同等の精度を維持できることがわかった.また,本手法を熱流体解析と連成する方法を考察し,居室に放射空調装置を配置した場合の解析を実施し,この種の解析に有効に適用できることを示した.