著者
朝倉民枝
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.103-116, 2011-04-15

幼児期における上質の喜びの経験が,人生を前向きに捉える礎となり,困難に出あったとき支えになってくれる心の安全基地を育てる.上質の喜びを生む創造・表現活動を支援するおはなしづくりソフトを開発した.まず先に活動全体を設計し,ソフトを支援ツールと位置づけ流れの中に配した.ソフトのみで完結せず他者の関わりを引き出すよう仕向け,装飾的演出や過剰な機能を排し,使いやすくわかりやすい設計を心がけた.おはなしづくりの活動を通して,子どもたちはつくる喜びを味わい,コミュニケーションの基盤を育て,使う側からつくる側に回る体験をする.開発における動機と目的,活用効果,その実現のための設計,実践と普及について述べる.