著者
中山 英俊 中村 佐和子 島雄 周平 石原 政彦 木村 秀一郎
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.542-544, 1993-06-01 (Released:2011-07-21)
参考文献数
5

帯状疱疹患者27名(外来11名, 入院16名)に対しアシクロビルを投与し, 帯状疱疹後神経痛に対する治療効果について検討した。外来患者にはアシクロビル500mgの1日1回点滴静注を, 入院患者には250mg/回, 1日3回の点滴静注を行った。発症後6ヵ月後に疼痛が残存している症例は外来18.2%(2/11名), 入院31.3%(5/16名)であり, 総合すると25.9%(7/27名)であり, すべて60歳以上の症例であった。疼痛の程度としては弱い痛みが続くもの1名, 弱い痛みが時々あるもの6名と軽度であった。今回の結果からはアシクロビルは帯状疱疹後神経痛の発症率を下げることは困難であるが, 疼痛の軽症化という点からは有効な薬剤であると考えられた。