著者
木村 貴子
巻号頁・発行日
2021-03

国宝・薬師寺吉祥天画像は「麻布」に描かれているが、それが日本古来の麻である苧麻と大麻のどちらなのかは、はっきりと分かっていない。この研究では伝統的な手法を用いて、二つの麻布の再現を自ら試み、それぞれの素材の絵画材料としての特性を明らかにすると共に、最終的にその仏画に用いられた麻布が苧麻である可能性が高いことを示すまでの過程をまとめたものである。