著者
本間 智介
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.421-430, 1966-05-01

私はSmythのGuardring式陣痛外測計改良型を用い, 第1にそれにより画かれた曲線が子宮筋の収縮のみを表わすのか, 羊水圧の変化のみを表わすのか又は, その両者の綜合されたものを表わすのかについて1)模型実験, 2)外測法, balloon法, 穿刺法による羊水圧曲線と子宮筋収縮曲線の同時記録による比較, 3)臨床実験を行い, 検討を行つた結果, 私達の外測計では主に検圧部直下の子宮筋の収縮を記録し, 羊水圧による影響はわずかであるという事がわかつた., 第2に上記陣痛外測計の3誘導同時記録を165名の妊婦について行つた結果, 1)妊娠10ヶ月に入ると子宮底部の収縮の強いものが増加する, 2)初産婦, 経産婦とも妊娠21週以後に子宮収縮が出現し妊娠10カ月より急激に増加し, これを分娩日より逆上つて見ると分娩前7日頃より急激に増加している. 又規則的子宮収縮も妊娠10カ月以後に急増し, 分娩日より見ると7日前より増加している, 3) 10分間に出現する子宮収縮数を分娩日より逆上ると7日前より増加する, 4)妊娠時子宮収縮の伝達速度は毎秒3.2cmであつた.