著者
杉本 洋輝 光来 健一 山口 実靖
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-136, no.3, pp.1-7, 2016-02-22

仮想化環境下において,HDD へのアクセスは二重のキャッシュ (ホスト OS ページキャッシュ,ゲスト OS ページキャッシュ) を介して行われる.このような二重キャッシュ環境ではホスト OS ページキャッシュへのアクセスに通常とは逆向きの負の参照の時間的局所性が存在することが実 OS を用いた検証で確認されており,ホスト OS にて通常の参照の局所性を期待している LRU は効果的に機能しないことが確認されている.また,キャッシュ管理手法としては LRU より FIX (キャッシュ内容固定) の方が性能が高いことがシミュレーションにより確認されている.本稿では,仮想化環境においてキャッシュ対象領域を固定化するファイルシステムを構築し,仮想化環境における I/O 性能の向上手法について考察する.