著者
杉生 貴成 猪俣 敦夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.10, pp.1-6, 2018-09-20

近年,Tor 等の匿名化ネットワークを使用して送信元を隠蔽して接続する手段を用いて接続,また検索エンジンにインデックスされないダークウェブ (Dark Web) と呼ばれる Web サイト群が注目されている.Dark Web は麻薬市場,銃器関連の密売,児童ポルノ,脆弱性情報,Booter (DDoS 請負サービス) のような違法行為やサービスのための理想的なホスティングの場となっている.世界中の研究者や法執行機関,セキュリティ会社,学術機関で調査を行っているが,効率的な調査方法が確立されておらず,調査に時間がかかる問題がある.本研究では Dark Web 上のサイトの一つである Ichidan と呼ばれている Web サイトを利用し大量の Onion ドメイン名を取得し分析を行った.取得した Onion ドメインに全てに対してスクレイピングを行い,トップページをダウンロードした.ダウンロードしたトップページのテキストから Onion ドメインを 6 つのカテゴリに大別した.そしてハイパーリンクのつながりから Onion ドメインをノードとし被ハイパーリンクの方向を矢印とした有向グラフを作成し Dark Web 同士の接続状況が容易に捉えられるようにした.そのグラフに大別した 6 つのカテゴリを合わせることでコンテンツごとのつながりや特性について解明しようと試みた.