著者
李 銀璡
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.57-66, 2010
参考文献数
16

本研究は、ソウル市における屋外広告物のあり方の変化とそれに影響を与える要因を明らかにすることを目的とする。そのために、1995年地方自治制の実施以降、市民によって選ばれたソウル市長の景観施策に関連づけ、屋外広告物のあり方の変化を調査した。結果、1995年以来、4人の市長はそれぞれに屋外広告物のあり方に強く関心を示しており、関連施策は屋外広告物のあり方の変化に影響を与えていることが明らかになった。趙淳市政(1995-1998)では、大型広告物の安全・景観阻害問題に関する審議基準が定められ、高建(1999-2002)市政では、2002FIFAワールドカップなど国際行事の準備として積極的な屋外広告物整備事業が行われた。李明博(2003-2006)市政では、清渓川復元事業とともに大規模な屋外広告物モデル街路が形成され、呉世勳(2007-今日)市政では、'デザイン都市ソウル政策'の一環として、ソウル市屋外広告物ガイドラインが作成され、実行中である。とりわけ、李明博・呉世勳市政では都市景観管理を都市環境の質と価値を高めるための主要課題にしており、関連施策は屋外広告物のあり方の変化に現われている。
著者
李 銀璡
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (デザイン学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6203号)