著者
中山 悌 前田 幹夫 村上 周太
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-60, 1999-09-27

重症疾患やお年寄り, そして身体的に障害を持っておられる方にとって, 病院施設内における車椅子の使用及び介助者の存在は必要不可欠である.介助者は, 患者を車椅子で搬送する場合, 大変に神経を使うため, ただでさえ激務といわれる介助者の仕事にさらに拍車をかけることになる.このため, ある程度軽度の患者や障害者は自分で車椅子を操作しなければならず, 大変な負担を背負うことになる.この状況を改善する一方策として我々は, 電動車椅子に搭載可能な, 自律走行を実現するナビゲーションシステムを開発中である.このシステムは, 走行経路探索部, ナビゲーションコントロール部および走行環境認識部より構成されている.本論文では, 走行経路探索手法について詳しく述べ, この手法を適用した例から本手法の有効性を議論する.