- 著者
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村上 真理
佐竹 範夫
江村 正仁
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.5, 2005
症例は62歳男性, 2004年11月初旬より血痰が出現し, 他院で胸部CT所見より肺癌を疑われ, 2005年1月5日当院を紹介された. 気管支鏡検査で左主気管支入口部の狭窄を認め, 同部の生検で扁平上皮癌と診断した. 1月19日左無気肺となり, 呼吸困難のため緊急入院し胸部放射線照射(66Gy)施行した. 3月15日から化学療法開始したが, 再度左無気肺となった. 左主気管支狭窄に対し, ステント留置を行うためアルゴンプラズマ凝固法(APC)で焼灼するも開存せず, 化学療法を続行した. 化学療法により無気肺は改善したため, 再々狭窄予防のためステント留置を検討した. 5月26日気管支鏡実施したところ, 左主気管支は開存し腔内の腫瘍は消失していた. 自覚症状もなかったためステント留置は見送ったが, この症例での留置の適応と時期について考察する.