著者
村田 直郁 川島 英之 建部 修見
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-137, no.8, pp.1-11, 2016-05-23

分散データベース管理システムにおいて外部キー制約や二次索引,実体化ビューの管理を行うための高性能な処理方式として Read Atomic Multi-Partition(RAMP) トランザクションがある.RAMP トランザクションは隔離性を緩和することで高性能化を実現した研究であるが,それを先進的デバイスによって高性能化する技法は未開拓である.そこで,本研究では高性能インターコネクトである InfiniBand を利用し,Remote Direct Memory Access(RDMA) の機能を用いて RAMP トランザクションを高速化する手法を提案する.まず,RDMA-Write による GET/PUT オペレーションの高速化手法として GET+/PUT+方式を提案する.続いて,RDMA-Read による更なる GET オペレーションの高速化手法として GET*方式を提案する.提案手法の評価のため,プロトタイプ In-Memory Key-Value Store を実装する.Yahoo! Cloud Serving Benchmark を用いた実験において,従来方式と比べて最大 2.67 倍の高速化を達成することを示す.