著者
鈴東 昌也 東本 昌之 東 泰志 竹林 勇二 小倉 修
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.95-98, 2013-01-31 (Released:2013-04-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

瓶類は本邦で最も頻度の高い経肛門的直腸内異物である。今回われわれは,気動式骨手術器械(サージエアトームII)を用いて,経肛門的に安全に摘出し得た直腸内異物を経験したので報告する。症例は51歳男性。自慰行為中,ヨーグルトのガラス瓶を肛門に挿入した。自力で摘出できず,当院救急外来受診した。直腸診で肛門縁より5cmに瓶底を触知した。腰椎麻酔で肛門括約筋を弛緩させ,用手および筋鈎でガラス瓶摘出を試みたが,摘出困難であった。気動式骨手術器械で瓶底に直径5mm大の穴を作製し,直角鉗子を掛けて摘出した。瓶の最大直径は8cm,長さ9cmであった。術後合併症は認めなかった。今回用いた方法は,経肛門的直腸異物摘出法の一つとして有効であり,今後同様の症例に対して,有用な方法であると考えられた。