著者
松山 茂麿
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.1255-1256, 1956-10-01

1907年Harrisonによつて始められた組織培養は,その後Fischer, Carrel,木村等によつて術式も改良されて多方面に亙つて研究され,我國でも木村門下その他諸氏の數々の業績が見られる.子宮頸癌の組織培養についても堀・江崎,成田,上野,榊原等がCarrelの懸滴法で固形培地を用いて子宮頸癌組織を培養し,その發育増殖の状態を観察している.Morre (1952, 1955)は子宮頸部組織を培養して,惡性病變は比較的増殖し易いが良性病變は比較的増殖し易いが良性病變増殖し難いと發表した. 私は短冊状硝子上培養法及びGey(1933, 1936)の考察したroller tube法で子宮頸部組織を培養し,病理組織学的に色々議論されている上皮内癌の診斷の補助とする爲,定型癌や糜爛,正常組織について下記實驗を行つた.