3 0 0 0 OA 怡顔齋櫻品

著者
松岡玄達 撰
出版者
安藤八左衞門 [ほか1名]
巻号頁・発行日
1758

松岡玄達(号は恕菴・怡顔斎、1668-1746)は、特定の動植物を対象にした「専書」(モノグラフ)を数多く和文で執筆し、しかも図を付して理解を助ける手法を採用したが、生前には一つも刊行されず、没後に子息や弟子の手でようやく数点が出版された。本書はその専書の最初の出版で、門下の甲賀敬元の助力による。内容は、まず奈波(なば)道円の「桜譜序」、山崎闇斎の「桜弁」、芦田鈍永の「桜花弁」の3点を翻刻、ついで桜69品種の簡要を得た図説となる。各品の所在地や見頃を挙げることも多い。当館の198-55本・839-182本も同本である。当館蔵の「怡顔斎」シリーズを刊行順に記しておくと―『怡顔斎介品』(宝暦8年刊、特1-1922)、『怡顔斎梅品』(同10年刊、特1-2935)、『怡顔斎菌品』(同11年刊、特1-1949:菌はキノコ)、『怡顔斎蘭品』(安永元年刊、特1-370)があり、また未刊本としては、『怡顔斎石品』(特1-1872)、『怡顔斎苔品』(特1-1602:海藻・コケほか)、『怡顔斎竹品』(特1-1603)がある。(磯野直秀)