著者
田中 義則 白井 滋久 湯本 節三 松川 勲 萩原 誠司 黒崎 英樹 山崎 敬之 鈴木 千賀 大西 志全 角田 征仁
出版者
北海道立総合研究機構農業研究本部
巻号頁・発行日
no.99, pp.47-60, 2015 (Released:2015-07-06)

「トヨハルカ」は,1993年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省大豆育種指定試験地)で,ダイズシストセンチュウ抵抗性,低温抵抗性,低温着色抵抗性の白目中粒系統である「十系793号」を母,ダイズシストセンチュウ抵抗性の白目中粒系統である「十交6225F8」を父に人工交配した雑種後代から選抜・固定し,2005年に北海道の優良品種に認定され,2008年に品種登録された。本品種は,「トヨムスメ」と同様に中生の白目大粒で,ダイズシストセンチュウ抵抗性が強く,同品種より低温抵抗性が強く,同品種で問題となる低温によるへそおよびへそ周辺着色が極めて少なく外観品質に優れる。耐倒伏性に優れ,草型は分枝が少ない主茎型で最下着莢節位が高いことから,コンバイン収穫適性に優れる。加工適性は煮豆に適し,特に味噌に好適である。「トヨハルカ」を「トヨムスメ」の一部に置き換えて普及することで,道産大豆の安定生産と品質向上が期待される。