著者
松本 健嗣
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.83-91, 2021 (Released:2021-12-24)
参考文献数
18

心不全患者は増加の一途を辿っており、近い将来「心不全パンデミック」が到来するといわれている。心不全の治療方針を立てる上で、あらゆる角度から多彩な情報を提供してくれる心臓MRI は、現代における心不全診療のコアイメージとしてのポテンシャルを有している。心臓MRI を臨床で最大限に活用するためには、このモダリティを「特定の疾患を評価するための特殊な画像診断法」ではなく、「心不全診療で遭遇する様々な疑問を解決する糸口を与えてくれるツール」として扱う、というパラダイムシフトが必要である。本稿では基本的な撮像法を中心に、最近のガイドラインやエビデンスに基づいた心臓MRI の立ち位置を、心不全診療の立場から症例提示を通じて提案する。