著者
松立 吉弘
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.754-756, 2021 (Released:2022-01-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1

COVID-19ワクチンによる副反応は様々なものがあるが,遅延型投与部位反応(COVID arm)は十分に認識されていない.COVID-19ワクチンの初回接種後1週間程度で生じるそう痒を伴う紅斑,硬結,圧痛を特徴とし,通常4~5日程度で消退する.2回目の接種でも同程度もしくは軽度の反応がみられることが多く,初回より出現までの期間が短い傾向にある.アナフィラキシーや蕁麻疹などの即時型過敏反応とは異なり,以後のワクチン接種は禁忌ではない.今後の集団接種の拡大に伴い,診察する機会が増えると思われる.本症状を認識しておく必要があると考え,経験した2例を報告する.