著者
松野 康二^[○!R] 岩尾 総一郎 児玉 泰
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.125-129, 1984-03-05
被引用文献数
1

急性タリウム中毒患者及び正常人の生体試料中タリウムのスクリーニング法について検討した.尿及び血液は0.1N硝酸による単純希釈液,頭髪は毛根部より5mmずつ切断したものを測定試料として,黒鉛炉原子吸光法により直接定量を行った.加熱プログラム特に灰化段階の温度のコントトール及び測定値の回収率での補正により,生体試料中タリウムを簡便かつ短時間に測定できた.従って,本法は中毒症状が発現する程度の暴露を受けた被験者のスクリーニング法として極めて有用な方法と考えられた.